年末特別企画|2025年も色褪せぬ人気!注目のダイバーズウォッチ6選

スポーツウォッチ界の「常緑樹」ともいえるダイバーズウォッチ。1950年代の誕生以来、その強靭な防水性能、明るいルミネセンス、そして自動巻き機構で愛され続けています。2025年もその人気は衰えることを知らず、外観、素材、ムーブメントの各面で進化を遂げたニューモデルが多数登場しました。今回は、特に注目すべき6つの新作を厳選してご紹介します(敬称略・五十音順)。
オメガ(OMEGA):海洋宇宙 600メートル
「第4世代」へと進化した、シャープなスポーティウォッチ
11月に発表された新型「シーマスター プロフェッショナル プラネットオーシャン 600メートル」は、シリーズ初の「4代目」モデルです。42mmのケース径を維持しつつ、厚さを13.79mmへと極限までスリム化。より着け心地の良い、繊細なフォルムへと進化しました。
大きな変更点は、排ガスバルブ(ヘリウムエスケープバルブ)の廃止です。技術の進歩により、この構造がなくとも同レベルの性能を発揮できるようになったため、外観はよりシンプルで左右対称の美しさを獲得しました。また、3時位置の日付窓も廃止され、文字盤の一体感が強調されています。
ブライトリング(Breitling):スーパーオーシャン ヘリテイジ
COSC認定を取得した、新世代自制ムーブメント搭載
ブライトリングのダイバーズ「スーパーオーシャン ヘリテイジ」シリーズも、2025年にアップデートされました。従来のデザイン(セラミックベゼル、矢じり型針、6時位置日付)を踏襲しつつ、中核を支えるムーブメントを「B31」へと換装しました。
このB31ムーブメントは、ブランドの新定番基本機能自制機です。ブリッジにはジェノバストライプ、アンダープレートにはパールネージュ仕上げが施され、镂空(ロクソウ)加工された自動巻きローターが美しく見えます。スペックは、直径28.4mm、26石、振動数28,800振動/時(4Hz)、動力貯蓄78時間。スイス公式天文台(COSC)認定を取得しています。
パネライ(Panerai):ルミノール
厚さ13.7mm、軽量化と長時間動力を両立
2025年、ルミノールシリーズは複数の新作を発表。いずれも44mmのステンレスケースに、「P.980」型ムーブメントを搭載しています。この新ムーブメントは、72時間(3日間)の動力貯蓄を備え、停秒機能も搭載。振動数は28,800振動/時、インカブロック避震装置を採用、厚さは驚異の4.2mmです。
また、ケース自体も最新型にリファインされ、厚さは従来の15.65mmから13.7mmに。重量も約15%削減されています。さらに、Super-LumiNova X2という高輝度夜光塗料を採用し、暗所での視認性が大幅に向上しています。
ブランパン(Blancpain):フィフティファゾムス Tech 45mm
定番化した「テック」、カラフルな新提案
2025年、ブランパンはこれまで限定版でのみ展開していた「フィフティファゾムス Tech」を、初めて定番モデルとして発表しました。45mmのケース径は、伝統的なフィフティファゾムス(Ref. 5015)に敬意を表したサイズです。
特徴的な4時半位置の日付窓はそのままに、針の先端と「Tech」の文字をオレンジ色にすることで、若々しく活気ある印象に仕上がっています。また、一体型ラバーストラップがカラフルに進化。従来のブラックに加え、文字盤や針に合わせたオレンジ、そして爽やかなホワイトが新たにラインナップ。工具不要のクイックリリース機構が備わっています。
ティソ(Tudor):ビンテージライン「Black Bay 68」
「スノーフレーク針」のルーツに回帰
ティソは2025年、ビンテージ調の新シリーズ「ビンテージ 68(Black Bay 68)」を発表しました。その名の通り、1968年に初めて「スノーフレーク針(雪結晶型針)」を採用したモデルにオマージュを捧げた一品です。
この「スノーフレーク針」は、先端に大量のルミノバが塗布されており、暗所での視認性が極めて高いのが特徴。これにより、ティソはロレックスの設計から脱却し、独自の強いアイデンティティを確立したのです。43mmケースは、大ぶりな時計を好む現代のニーズに応えます。これにより、ビンテージラインは37mmの54型、39mmの58型、そして43mmの68型という、整然としたサイズ体系が完成しました。
ウブロ(Ulysse Nardin):ダイバー [AIR]
52gの驚異的な軽さ、素材技術の結晶
ウブロが2025年に投入した「ダイバー [AIR]」は、その軽さが最大の特徴です。ケースとストラップを含めた総重量はわずか52g。従来のダイバーズウォッチの常識を覆す、驚異的な数字です。
その理由は、ケースにチタン、ナイロンファイバー、カーボンファイバー、ポリアミドなど、複数の異素材を用いた「モジュラー構造」を採用していること。また、ムーブメントであるUN-374型自動巻き機械式時計は、橋板を大幅に镂空(ロクソウ)加工し、ゼンマイ鼓を彫刻することで、ムーブメント重量を7gという驚異的な軽さにまで削ぎ落としています。200m防水を保ちながら、5,000Gもの衝撃に耐えうる強度を併せ持っています。
まとめ
2025年のダイバーズウォッチは、「薄さ」と「長時間動力」が大きなキーワードでした。ケースのリファインによる着け心地の向上、新素材の採用、そしてよりパワフルで正確なムーブメントへの換装。これらの進化により、かつての「重厚で頑丈な工具」というイメージから、「日常使いに最適化されたスマートなジュエリー」へとその姿を変えてきているのがわかります。