“キャスケット”スタイルの腕時計、デジトレンドはすでに確固たる存在感を放つ。

横39.6×縦39mmのステンレススティール製ケースに収められた新作デジトレンド オープン サファイアは、これまで発表されたモデルと同様の機能を備える。ジャンピングアワーとワンダリングミニッツ表示を持つ自動巻きのソプロード製NEWTON P092ムーブメントを搭載し、44時間のパワーリザーブと2万8800振動/時の振動数を誇る。ジャンピングアワーは追加モジュールによって駆動し、縦向きに表示される時刻をケース側面から読み取る構造のためケース厚は16mmとやや厚めになっている。しかしそのおかげで、実用性に富んだ“ドライバーズウォッチ”となっているのだ。時間はプリズムを通して表示され、2枚の水平ディスクに記された時刻がケースサイドに縦方向で映し出される。

Amida Digitrend Open Sapphire
Amida Digitrend Open Sapphire
Amida Digitrend Open Sapphire
 これまでに再発売されたアミダ デジトレンドはケース全体だけでなく、傾斜のある“上部”または“背面”部分もがSS製だった。この部分は、ブッサー氏がカーデザインに着想を得たキャスケットスタイルのなかで“ファストバック(編注;自動車のボディ形状の一種)”として扱っていた。一方で新たなオープン サファイアでは、そのデザインがまるでタルガトップ(編注;自動車のルーフ形状の一種)を思わせるような開放的な構造となっている。成形されたサファイア風防によって、ムーブメントの一部やジャンピングアワー機構を視認することが可能。また、反転した数字がプリズムを通るとその数字がさらに反転されて90°の角度で表示されることで、いわゆるドライバーズウォッチとしての見え方を実現している。

Amida Digitrend Open Sapphire
 ムーブメントは、コート・ド・ジュネーブ、ペルラージュ、サンドブラスト、ヘアラインに加え、スケルトン仕様の回転ローターやロジウムメッキなど、インダストリアルでありながらも細部にわたって思慮深い仕上げが施されている。ストラップにはチャコールカラーのアルカンターラを、その裏地にはオレンジのカーフレザーを採用し、18mm幅のSS製バックルが付属。メタルブレスレットもオプションで用意されている。デジトレンド オープン サファイアは150本限定で、価格は4500スイスフラン(日本円で約80万円)だ。

我々の考え
デジトレンドを実際に身に着けたのは今回が初めてだった。まず最初に感じたのは、思っていた以上に視認性が高いということ。実際にクルマを運転するように腕を前に伸ばしてみると、ひと目で時間を把握できた。表示の精度が極めて高い、というわけではないが実用においては十分に機能している。

Amida Digitrend Sapphire
Amida Digitrend
 上から覗き込んだときの光景はなかなか衝撃的だった。数字を見ながら「2、4、E、5、Iって何だ?」と一瞬戸惑い、「ああ、これは5、4、3、2、1が逆さに並んでいるのか」と気づくまでに少し時間がかかった。サファイア製の風防からは、デジタル表示の全貌や、それがいかに創造的で巧妙につくり込まれているかを覗き見ることができる。このサファイア風防こそが、2900スイスフラン(日本円で約52万円)のブレスレット付きSS製モデルに対して大幅に価格が上がっている理由のひとつだろう。プロジェクトには関わっていないもののブッサー氏はかねてより、成形されたサファイアが入手困難かつ非常に高価だと語っており、それが1600スイスフラン(日本円で約30万円)もの価格差につながっていると考えられる。

Amida Digitrend Open Sapphire
Amida Digitrend Open Sapphire
 ケースを横から見ると、この時計の厚みがよくわかる。ただし、その厚みの配分は非常に巧みだ。上部に重心が集中しているが、手首に乗せた際には安定感があり意外にも低く収まる。もちろん、タイトなドレスシャツのカフスの下に収めるのは難しいかもしれない(そして、あのカフの上に時計を着けるジャンニ・アニエッリを真似しようなんて考えは、くれぐれもご遠慮いただきたい)が、装着感は気になるほどではない。少なくとも目を閉じていれば気にならない。この表示スタイルを好きになれるかどうかは、あなた次第だ。

Amida Digitrend Open Sapphire
基本情報
ブランド: アミダ(Amida)
モデル名: デジトレンド(Digitrend)

直径: 横39.6mm×縦39mm
厚み: 16mm
ケース素材: 耐傷性サファイア風防、316Lステンレススティール。ヘアライン仕上げとポリッシュ仕上げ
文字盤色: 2枚の表示ディスク(反射型ディスプレイ)を用いた、時・分表示。数字はオレンジ色
インデックス: デジタルディスプレイ
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: チャコールカラーのアルカンターラに、オレンジのカーフレザーライニングを組み合わせ、18mm幅のSS製バックルを装備。オプションでメタルブレスレットも用意

Amida Digitrend Open Sapphire
ムーブメント情報
キャリバー: ソプロード NEWTON P092(Soprod NEWTON P092)
機能: ジャンピングアワーとワンダリングミニッツ
パワーリザーブ: 44時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23
追加情報: コート・ド・ジュネーブ、ペルラージュ、サンドブラスト、ヘアライン仕上げ、スケルトン仕様の回転ローターやロジウムメッキによる装飾

価格&発売時期
価格: 4500スイスフラン(日本円で約80万円)
発売: まもなく
限定: 限定150本